甘くて食べ応え抜群のとうもろこし。1本食べればお腹も良い感じに満たされるボリューミーさですが、実はカロリーはそれほど高くありません。
今回は北海道産のとうもろこしの栄養価から、生のとうもろこしと缶詰のコーンとコーンフレークとの栄養価の違い、短い旬を長く楽しむための保存方法やヘルシーレシピをご紹介します。
目次
とうもろこしの栄養
とうもろこしは可食部100gあたり92kcal。糖質量は13.8gです。
北海道産の産地直送とうもろこしは普段スーパーで見るものより大きいかもしれません。Lサイズでおおよそ1本400g前後。皮をむいて芯を取り除き、実だけにすると170g前後になります。
つまり、とうもろこし1本あたりは約156kcal。これは子ども用の茶碗に軽く1杯盛った白飯と同じくらいのカロリーです。
とうもろこしはカロリーや糖質が高い野菜と思われていますが、他にも優れた栄養素を含みます。特にビタミンB群は「代謝ビタミン」とも呼ばれ、食品からエネルギーを作り出す際の化学反応に必要不可欠なビタミンです。 また、ビタミンB群は疲れを感じる原因である乳酸を代謝する時にも必要です。そのため、運動習慣がある方や疲れやすいと感じる方には特におすすめしたい食材となっています。
栄養素①炭水化物をエネルギーに変える《ビタミンB1》
とうもろこし100g中に0.15㎎のビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。また、アルコールの代謝にもかかわるので飲酒習慣がある方には積極的に摂取していただきたい栄養素でもあります。
夏場は特に不足しがちで、ビタミンB1不足が夏バテを招くといわれています。
1日に推奨されている摂取量は年齢や性別で変わりますが、成人は0.9g~1.4gを食事から摂取すると良いとされています。
栄養素②脂質をエネルギーに変える《ビタミンB2》
とうもろこし100g中に0.1㎎のビタミンB2が含まれています。
ビタミンB2は主に脂質の代謝に関わる栄養素で、皮膚や粘膜を健康に保つために必要です。ビタミンB2が不足すると角膜炎、口内炎、口角炎などの症状が出る場合もあります。
また、肝臓や脳の働きにも関与しています。 成人は1.1g~1.6gを1日に摂取することを推奨されています。
栄養素③お腹のスッキリ感に《食物繊維》
とうもろこしは100gあたり3gの食物繊維を含んでいます。
食物繊維には水溶性と不溶性の二種類があるのですが、とうもろこしには不溶性の食物繊維が多いのが特徴です。便のカサを増やして腸の働きを活発にし、便意を感じやすくさせてくれます。 成人男性で1日21g以上、女性は18g以上の食物繊維が必要なのですが、現代では多くの方に不足している栄養素でもあります。
栄養素④貧血予防に《葉酸》
とうもろこし100gあたり、95μgの葉酸を含んでいます。
葉酸は正常な赤血球を作るために必要な栄養素です。鉄を意識して摂取しているのに貧血気味だという人は葉酸が足りていないかもしれないので多めに摂取しましょう。
葉酸は成人1日に240μg以上の摂取を推奨されており、妊娠中の女性はより多くの葉酸摂取が必要です。
とうもろこしの旬
とうもろこしの旬はおおよそ夏ですが、農家ごとに収穫時期が違います。これは、ビニールハウスの中で栽培する「ハウス栽培」と屋外の畑で栽培している「露地栽培」による違いや、種をまいた時期、品種による生育期間によっても違います。
ハウス栽培と露地栽培の違いではどちらがおいしいのか気になりますよね。ハウス栽培では水分量を毎日調整することができるので収穫間際に水を与えないことでとうもろこしの味を凝縮することができ、風などのストレスがないため粒の皮が薄く柔らかく育つといわれています。7月前後の北海道産トウモロコシはハウス栽培がほとんどです。
対して露地栽培は収穫時期が8月以降。8月下旬にもなると北海道の昼夜の温度差が激しくなるので、寒暖差が甘いとうもろこしを育てます。
ハウス栽培も露地栽培もそれぞれ利点があるので「どちらがおいしい」とは一概に言えないですが、それぞれ食べ比べてみるのも面白いですね。
捨てるのはもったいない!芯まで使う方法
とうもろこしを食べた時に残る中心の芯。じつはカリウムが豊富でとうもろこしの風味も強く、捨ててしまうだけではもったいないことをご存知でしょうか。
カリウムは体内の塩分濃度を調整し、不要な水分を尿として排泄する助けをしてむくみの解消や血圧の低下に役立ちます。
具体的な使用方法は、とうもろこしの実を包丁などで削ぎ落した後、汁物や炊き込みご飯の出汁として煮出す方法が良いです。汁物の場合、他の食材と一緒に煮て味付け前に取り出しましょう。炊き込みご飯の場合は炊飯器や鍋でお米や他の食材の上にとうもろこしの芯を置き、炊きあがったら取り除く方法が良いです。
缶詰コーンと生のとうもろこし、栄養価の違いは?
缶詰のコーンは100gあたり82kcal、たんぱく質が2.3g、脂質は0.5g、炭水化物が17.8g、食物繊維が3.3g、糖質量は14.5gです。
とうもろこしは可食部100gあたり92kcal、たんぱく質は3.6g、脂質は1.7g、炭水化物は16.8g、食物繊維は3g、糖質量は13.8gです。
同じとうもろこしなのにどうして栄養価が違うのかというと、缶詰用の品種が違う点と、缶詰にした際に同封されている水分に栄養素が流れ出ているからという理由が挙げられます。
この他の栄養素もカリウム、カルシウム、鉄などのミネラルも缶詰のとうもろこしは生のとうもろこしの約半分しかないのです。せっかく食べるなら、栄養価が高い生のとうもろこしを選びたいですね。
とうもろこし料理のカロリーとヘルシーに味わう方法
とうもろこしは野菜に分類されることもありますが、基本的には米や麦などの穀類の仲間で炭水化物が多めです。よって、野菜に比べて炭水化物や糖質が多く、カロリーは高め。とうもろこしを使った料理もカロリーは高めとなります。
バターコーン、コーンスープ、とうもろこしの天ぷらは油脂を多く使うレシピもあるのでダイエット中には要注意。コーンスープを手作りする際は豆乳で作ったり、生クリームを使用しないことで低カロリーに楽しむことができます。
ヘルシーにとうもろこしを味わいたい場合は蒸す、茹でる、油脂を使用せずに炭火やグリルなどで焼くことがおすすめです。穀類の仲間と言ってもお米よりはカロリーが控えめなので、とうもろこしご飯やピラフの米の代わりのカサ増しとして使うとヘルシーな献立になります。
とうもろこしの美味しい食べ方
鮮度が良いとうもろこしは生のままでも食べられますが、茹でたての熱々を食べるのもとうもろこしの醍醐味ですよね。家庭で簡単にできるおいしい茹で方を紹介します。
とうもろこしが含む糖類である「果糖」の特徴に、温かい時よりも冷えたほうが甘みを強く感じるという特徴があります。多めに茹で、熱々を楽しんだ後は粗熱を取って冷蔵庫へ入れて冷やしたものも召し上がってみてください。農家さんによってはキンキンに冷えた茹でとうもろこしが一番おいしい食べ方だ、という人も!
ジューシーで甘い【茹でる】
とうもろこしの皮を最後の1~2枚だけ残して実が薄皮で覆うようにむき、とうもろこしが浸る程の水と、塩(水の量の2%程度)を加えた鍋に入れて中火で加熱。沸騰後は弱火~中火で6分程茹でましょう。水から茹でることでふっくらジューシーに茹で上がります。 粒感をより楽しみたい方は沸騰したお湯に入れて4~5分茹でると良いです。
簡単で味が凝縮!【電子レンジでチン】
薄皮を残したとうもろこしをそのまま電子レンジに入れ、500~600wで5分間加熱。粗熱を取ったらとうもろこしの皮の付け根から1㎝の実の部分を皮の上から包丁で切り落とします。とうもろこしの頭の方から押し出すようにするとツルンと取り出せますよ。お好みで塩を振って召し上がれ!
とうもろこしの保存方法
とうもろこしは生のまま保存する場合は常温は避け、冷蔵庫の野菜室に立てて保存することが望ましいです。しかし、鮮度が命のトウモロコシは日がたつごとに甘みが薄くなってしまうので長期保存には向きません。野菜室に保存する場合は2~3日中に上記のように加熱調理することをおすすめします。加熱後粗熱を取ってラップに包み、冷蔵保存で3~4日は美味しく食べられます。
加熱後、冷凍保存をするとぐんと長持ちします。茹でたとうもろこしを芯から外して冷凍するだけ。芯から外す方法は手で一粒ずつ外す人もいれば、包丁で削ぎ落す方法も。お好きなやり方で外してください。粗熱が取れた状態で密閉袋に入れて冷凍すると1か月以上は美味しく食べられますよ。食べるときは冷凍のまま料理に使用できます。
また、芯に実をつけたまま冷凍もできます。茹でた後にお好きな厚さに芯ごと輪切りにし、一つずつラップをして密閉袋に並べて冷凍しましょう。お弁当に入れたり、焼きとうもろこしにする場合に活躍します。食べ方は自然解凍せず、冷凍のままレンジで温めたりフライパンで焼いたり蒸したりして加熱しなおした方が水っぽくならないです。
まとめ
とうもろこしについて広くお伝えしました。
野菜の中ではカロリーが高めですが、穀類の代わりやおやつとして栄養価満の高いとうもろこしを食べることで体をいたわることができますね。
冷凍保存も可能なので多めに購入し、冬に備えるのもおすすめです。