【たち(タラの白子)】を食べよう!北海道の「真だち」と「助だち」、その違いやおすすめの食べ方について

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NORTH DISH編集部

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北海道で「タチ」と呼ばれる食材をご存じでしょうか。冬を代表する味覚の一つである「鱈(タラ)の白子」のことを北海道ではそう呼んでおり、味噌汁に使うほど身近な存在です。今回は身を含む本体よりも珍重されて高値で取引される「白子」にスポットを当て、マダラとスケトウダラの違いや北海道での呼び方について詳しく解説。美味しい食べ方や新鮮で品質の良い白子の選び方もご紹介します。

まずは【鱈(タラ)】について詳しく知ろう

日本で食用とされる鱈(タラ目タラ科)には3種類あります。マダラスケトウダラコマイです。名前に“タラ”が付く西京漬けでお馴染みの白身魚「ギンダラ」は、カサゴ目ギンダラ科に属する別の魚です。

①【マダラ(真鱈)】

マダラ,真鱈

北緯34度以北の寒冷な海に生息するタラの中で、世界的に最も重要な魚が「マダラ(真鱈)」です。日本はもちろんアメリカ・カナダ・ヨーロッパといった北半球の国々で古くから食べられてきた魚であり、イギリスの代表的な料理である「フィッシュ&チップス」といえばこの魚。冷蔵技術が発達していなかった頃は産地を除けば乾物(棒鱈)として流通しており、山間部の重要なタンパク源になっていました。とにかく食欲が旺盛で、自身のサイズの半分にもなる魚類や甲殻類などなんでもよく食べる魚として知られ、「たらふく(鱈腹)食べる」の当て字に使われるような魚です。マダラ(真鱈)の白身はクセがなく上品な味わいであることから世界中で需要が高く、北海道では鍋の具材として大人気。一般的に魚介類は卵を持つメスの価値が高くなる傾向がありますが、マダラは別で白子(精巣)を持つオスの方が好まれます。真子(卵巣)は黒い皮に包まれており、白子に比べると格安でスーパーの店頭に並びます。北海道では「真だらの子和え」という家庭料理で親しまれています。おにぎりの具やご飯のお供として人気の「たらこ」はスケトウダラの卵巣です。

②【スケトウダラ(スケソウダラ)】

スケトウダラ,スケソウダラ

沿岸に生息するマダラに比べ、「スケトウダラ」は成長すると沖合の中・底層に移動するため、その漁自体は北海道においても明治末期頃からスタートしました。古くはほとんどが干物加工されていましたが、船上でのすり身加工や冷凍技術が発達すると、かまぼこなどの練り物に人気の原料となりました。マダラに比べると身も白子も安価で取引されている家計の味方。本体より好まれているのが「たらこ」の原料になっている卵巣(真子)です。塩漬けにしたものがタラコであり、それを唐辛子入りのタレに漬け込んで作られるのが「辛子明太子」です。

③【コマイ(氷下魚)】

コマイ,氷下魚

「コマイ(氷下魚)」は北海道では「カンカイ」とも呼ばれる全長約40cmほどの小型のタラ。水温0度以下でも生きられる出世魚で、体長15cmくらいまでを「ゴタッペ」、25cmくらいまでを「コマイ」、25cm以上を「オオマイ」と呼びます。干物として流通することがほとんどで、鮮魚が小売店に並ぶことは稀。主な産地の北海道でも鮮魚を食する機会は少ないですが、旬の時期には鍋物や塩焼き、唐揚げといった料理で味わうことができます。産卵期は1〜3月で、卵巣(こまい子)は粒が小さくて美味しいと評判です。精巣(白子)は魚体が小さいことから、マダラやスケトウダラのように流通することはありません。氷点下の屋外で干物加工した「かんかい」が有名で、木槌で叩かないとむしれないほどに硬い珍味は、酒の肴として北海道の名物にもなっています。

マダラとスケトウダラの【白子】、その特徴について

◆マダラの【白子】

タチ,真だち,鱈の白子

北海道ではタラの白子のことを「たち」と呼びますが、一般的にはマダラの白子を指す場合が多いです。スケトウダラの白子と区別するために、「真だち(真タチ)」とも呼ばれています。旬の時期はタラの産卵期と重なる12〜3月です。全長1mにもなるマダラの白子はやはり大きく、成熟したものはそのサイズだけでなく味も抜群なことから高値で取引されています。クリーミーで旨みが強く、濃厚なのに後味がさっぱりしていることから、北海道の冬を代表する味覚の一つになっています。

成熟したものはヒダが大きく張りがあり、透明感のある白さが特徴です。新鮮なものは臭みが全くなく生でも味わうことができ、そのとろけるような食感を楽しめます。食べ方としては白子ポン酢(北海道では「たちポン」と呼ぶ)のほか、天ぷらやムニエル、たち鍋などが定番の料理として挙げられます。12月頃からスーパーの店頭に出回り始め、最も美味しいとされるのは1〜2月。この時期には必ず食べておきたい食材の一つです。

◆スケトウダラの【白子】

タチ,助だち,スケソウダラの白子

マダラの白子に比べると格安なスケトウダラの白子。産卵期と重なる12〜4月にかけて流通しますが、最も美味しいとされるのは1〜2月です。北海道では「すけだち(助ダチ)」と呼んで、「真だち」と区別しています。大きさや味わいは真だちに比べると劣るものの、クリーミーで旨みも強く、手頃な価格は何よりも魅力。北海道では味噌汁の具材になることも多く、冬の家庭料理に使われる身近な食材として知られています。たっぷり買っても安い「すけだち(助ダチ)」は、大人数で囲む鍋料理にもおすすめ。鱈の身と共に味わう鍋料理(たらちり鍋)は絶品です。

◆各地で異なる【タラ(鱈)の白子】の呼び方

北海道は「タチ」、秋田県では「タチ・タツ」、宮城県石巻市では「キク」と呼ばれています。また、秋田県や山形県の酒田地方、石川県では「ダダミ」とも。ほかに雲腸(くもわた)、雲子(くもこ)、 菊子(きくこ)といった呼び方があります。

新鮮な【たち(タラの白子)】の選び方

真っ白で新鮮なマダラの白子/薄くピンク色になったマダラの白子

タラの白子は透明感のある真っ白なものほど新鮮で品質が良いものです。最高品質のものは市場から高級な和食店や寿司屋などの飲食店に卸されることが多く、スーパーなどの店頭に並ぶのは価格的に見てもその次のランクくらいのものになるようです。

新鮮なスケトウダラの白子/表面が溶けて流れるようなスケトウダラの白子

鮮度や品質が落ちて買いやすい価格になってくると、全体が薄ピンク色になっていたり、表面が溶け出しているように身崩れしていたり、胆のうが潰れて緑や黄色くなっているものもあります。

新鮮で品質の良い白子がいつも買えると良いですが、最高品質のものが常に店頭にあるとは限りません。なるべく状態の良いものを見つけて、様々な調理法で楽しんでみてください。

【たち(タラの白子)】の美味しい食べ方

◆たちポン(白子ポン酢)

たちぽん,白子ポン酢

新鮮な真だち(マダラの白子)が手に入ったら、まずは試していただきたい一品です。熱湯にくぐらせた後に氷水で冷やし、水気を切って食べやすい大きさにカットしたら、ポン酢をかけて完成。お好みで刻みネギともみじおろしを乗せて。クリーミーで濃厚な白子をポン酢の酸味と薬味の辛みが引き立ててくれます。

◆鱈ちり鍋

鱈ちり鍋,タラと白子の鍋

マダラの切り身と白子がベストな組み合わせですが、スケトウダラの白子に替えると値段も安くてたっぷり楽しむことができます。北海道では定番の鍋料理です。

◆白子焼き

タラの白子焼き,たち焼き

酒を振りかけ、その上から塩を振って焼くだけでできる「白子焼き」。表面は香ばしく、中身がレアな状態の白子は絶品です。真だち(マダラの白子)を使うのがおすすめ。

◆白子の天ぷら

タラの白子の天ぷら,たち天ぷら

中までしっかり火を通すことのできる「天ぷら」は、スケトウダラの白子を使うのもおすすめ。たくさん作って、大勢で食べるのにぴったりの一品です。

◆たちの味噌汁

たちの味噌汁,タラの白子の味噌汁

北海道の郷土料理でもある冬の定番みそ汁です。軽く洗って汚れをとり、熱湯にくぐらせたタラの白子を食べやすい大きさに切って、お好みの味噌汁に入れるだけ。真っ白でプリンとした見た目の新鮮なものを使うとより美味しく召し上がれます。

まとめ

北海道の冬を代表する味覚の一つ「たち(タラの白子)」をご紹介しました。マダラとスケトウダラ、それぞれの白子の特徴や違いを知って、定番の白子ポン酢の他にも様々な料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。旬の時期である12月〜2月は新鮮で品質の良いものが手に入りやすい季節です。ぜひ味わってみてください。

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