知っておきたいトマトの保存方法。常温、冷蔵、冷凍の温度帯別に解説!

北海道食材の豆知識
Ayaka Izawa

Ayaka Izawa

フリーランスで管理栄養士の仕事をしながら、北海道栗山町の井澤農園で販売・営業を行い、地域の産品作りや食育などの地域おこし事業にも関わっています。 自称「農家フェチ」!

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トマトは年中スーパーに並ぶ野菜の一つですが、トマトは収穫時期や生産者の作り方によって味が大きく左右される野菜です。できれば美味しくて栄養価の高い時期のトマトを長く楽しみたいですよね。

今回は、トマトの保存方法を常温、冷蔵、冷凍の3つの温度帯のほか、ソースやドライなどの加工後に長持ちさせるコツを詳しく説明します。

トマトの正しい保存方法は?長くおいしく楽しむ秘訣

カラフルトマト,大玉トマト,ミニトマト

トマトは買ったらとりあえず冷蔵庫に入れれば大丈夫ですが、より美味しく、栄養価も高い状態で食べるためには保存方法にポイントがあります。トマトの状態に合わせ、常温保存か冷蔵保存かを決めましょう。

また、冷凍や加工することでより長くトマトを楽しむことができます。トマト好きであればトマトが美味しい時期に様々な方法でトマトを保存し、1年中美味しいトマトを楽しめるようにしてみてはいかがでしょうか。

【常温の場合】保存方法と日持ち目安期間

カッティングボードの上の3個の大玉トマト

トマトは買ったら直ぐに冷蔵庫に入れないといけない、と思っている人もいるのでは。実は、購入後すぐに冷蔵庫に入れるのは熟れ軟らかいトマトの場合や、すぐに冷やして食べたい場合のみ。それ以外は若干暖かい場所に置いていても大丈夫です。

トマトは夏野菜です。温室の中や、暑い日差しに当たって育つ野菜であるため、寒い場所よりも暖かい場所の方を好みます。赤色が薄い大玉トマトは常温で追熟させることで色がより赤くなり、甘味も栄養価も多くなります。追熟に適した温度は20~25度です。

常温保存はトマトの様子を見ながら、軟らかくなりすぎない程度で冷蔵庫に移しましょう。3~5日が常温保存の日持ち目安です。

【冷蔵の場合】保存方法と日持ち目安期間

冷蔵庫の中でミニトマトを保存

冷蔵庫で保管するのであれば、野菜室が適しています。トマトは寒すぎる場所を嫌う野菜なので、普通の冷蔵室の温度では冷えすぎて美味しさを損ないます。

野菜室の方が冷蔵室よりも温度が高いため、野菜室がある場合はそちらを使用しましょう。
ヘタが下になるように保管すると実が柔らかくなってもつぶれにくく乾燥もしにくいです。

日持ち目安期間は5~7日。それ以上保管するとカビてしまったり、しなびてしまいます。

【冷凍の場合】保存方法と日持ち目安期間

冷凍ミニトマト

トマトは冷凍保存にすると半年以上美味しく食べられます。

保存方法はというと、さっと皮を洗ってヘタを取った後、そのままフリーザーバックに入れて凍らせるだけ。ミニトマトも大玉トマトもこの方法が一番手間が無い上に料理に使いやすい冷凍法です。

解凍すると果肉が柔らかくなってしまいそのまま食べる事には向きませんが、煮込み料理やスムージーに使うと生で使うのと何ら遜色なく使えます。

調理のポイントは、皮を剥いてから使うこと。ボウルに張った水にトマトを入れて5秒後に皮を触るとツルンと皮が剥けます。皮のまま料理に使用しても良いですが、冷凍したトマトの皮は生の時よりも固く、口の中で残ることが多いので皮を剥いてから使用することをおすすめします。 皮を剥いたトマトは凍ったまま煮込み料理やスープに入れて火を通せばOK!

ドライ加工した場合

ドライトマト

トマトは乾燥させてドライトマトにすると長持ちさせることができます。ミニトマトの場合は横に半分に、大玉トマトの場合は横に1㎝弱のスライスをしてから、乾燥機やオーブン、天日干しでお好みの乾燥具合まで水分を飛ばせば完成です。

カラカラに水分を飛ばせば密閉袋で3か月ほど、セミドライなら冷蔵庫で2週間、セミドライのオイル漬けにすると1か月美味しく食べられます。

ソースやケチャップに加工した場合と長期保存のコツ

瓶詰めトマトソース,ミニトマト,にんにく

トマトはパスタソースやケチャップに加工して瓶詰することで、常温でも長期保存が可能になりますし、食べるときの手間も省くことができます。

ただし、瓶詰の時にコツがあります。まずは瓶は蓋も本体もしっかり煮沸消毒し、水滴をしっかり落としてから使うこと。ソースやケチャップは熱々の状態で瓶に注ぎ、9割~95%の容量まで入れること。最後に、蓋を緩く閉めた状態で鍋に瓶を入れてお湯がコトコト言い出したら10分間煮沸し、蓋を軽く開けてすぐに閉め瓶の中の空気を取り除くこと(脱気)がポイントです。 瓶の中に雑菌や空気があると腐敗菌やカビが増殖する原因になるため、加工した場合の瓶詰は神経を使います。脱気に心配がある場合、冷蔵保存で1~2週間で食べ切ることをおすすめします。

おすすめ加工レシピ

トマトは加工することでより長期間保存できるということが分かりましたね。最後に、トマトをシンプルに楽しめるおすすめの加工レシピを紹介します。

ミートソースはタンパク質や脂質が多いため、常温の長期保存には向きません。ミートソースを長期保管する場合は冷凍保存をするようにしましょう。

◆トマトソース(10人分)

フライパンに入った自家製トマトソース

鍋にオリーブオイル(大さじ1)を入れてみじん切りにしたニンニク(3片分)を入れて弱火で炒め、香りが出てきたらみじん切りにした玉ねぎ(3個分)を入れ、玉ねぎが透き通るまで炒める。トマト(1.5㎏)は好みで湯むきし、ミキサーで荒く砕くか1㎝の角切りにして加え、20分程コトコト煮込んで塩(大さじ1)、黒コショウ(小さじ1/4)で味を調え完成。

先述の瓶詰のコツに従い、煮沸消毒した瓶に詰めると3か月~1年保存可能です。保管は日の当たらない涼しい場所を選びましょう。

◆トマトケチャップ(つくりやすい分量)

自家製トマトケチャップ

お好みで湯むきしたトマト(1㎏)と玉ねぎ(1/3個)、ニンニク(1/3片)、一味(少々)をミキサーにかけてジュースにして鍋へ。砂糖(90g)、塩(15g)、コショウ(少々)を入れて中火~強火で混ぜながらカサが1/3になるまでアクを取りながら煮る。酢(40㏄)を入れて火を止め、熱々のまま煮沸消毒した瓶に入れて保存。

脱気をしなくても1か月は冷蔵庫で持ちますが、常温で長期保管したい場合は先述の瓶詰のコツに従い脱気も行いましょう。しっかり脱気できれば冷暗所で1年以上保管できます!

レッド系のトマト(ミニトマトや中玉トマト)で作ると真っ赤なケチャップになりますが、ピンク系のトマト(大玉トマト)で作ると若干ピンク色のケチャップになります。

◆セミドライトマトのオイル漬け(つくりやすい分量)

セミドライトマトのオイル漬け

ミニトマト(20個)のヘタを取り洗い、横半分に切りオーブンシートを敷いた鉄板の上に切り口を上にして並べます。塩(2~3つまみ)をパラパラと全体にかけ、140℃のオーブンで1時間~1時間半加熱します。

水分は半分以上飛んでいれば清潔な容器に入れ、ひたひたのオリーブオイルとお好みでローリエやローズマリーを入れて冷蔵庫で保存します。食べるときは清潔なスプーンで取りだすようにすると1か月は保存可能です。

パンに乗せたり、パスタやサラダのトッピングにどうぞ!

まとめ

トマトの保管方法から、おすすめの加工レシピ、長期保管のコツをお伝えしました。瓶詰のコツはどんな加工品にも当てはまるコツなので、保存食を作る際には参考にしてみてください。

トマトがお好きであれば、トマトが美味しい時期に様々な方法でトマトを保存し、1年中美味しいトマトを楽しめるようにしてみてはいかがでしょうか。

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