十勝地方の帯広市が発祥とされる北海道の郷土料理「豚丼」。牛丼チェーン店でも定番メニューになったり、専用タレが発売されたり、今ではどこにいても気軽に楽しめる料理になりました。そんな豚丼の歴史や特徴を知り、自宅で気軽に楽しんでみませんか?帯広風・チェーン店風、そして道産子おすすめのレシピを詳しく紹介します。
好みに合った食べ方を見つけて、是非作ってみてください。
目次
まずはこれ!「帯広風」豚丼
帯広風の豚丼は、豚肉を炭火などで焼いた後にしょうゆベースの甘辛いタレに付けてご飯の上に盛り付けるものです。使う肉の部位はロースやバラなど様々ですが、食べ応えのある薄すぎないスライス肉で作ることが特徴です。
その昔、ウナギを食べたいけれど食べられなかった北海道民が「うな丼」の代わりにと作ったのが発祥だとも言われています。
お店によってトッピングにグリーンピースや紅ショウガ、白髪ねぎが乗っており、山椒を少し散らして食べても美味しいです。
◆必要な具材は?
帯広風豚丼の具材は超シンプル!使う食材はお米と豚肉、醤油や砂糖などの調味料のみです。
豚のバラ肉を使うと脂身の旨味や甘みを味わえ、こってりとした豚丼に。ロース肉を使った豚丼は比較的あっさりとしていて万人受けします。
お店によってはバラ肉の豚丼と、ロース肉の豚丼の2種類を用意しているところもありますよ。部位によってメニューを変えるなんて、帯広での豚丼人気がうかがえますね。
◆帯広風豚丼の作り方
帯広風豚丼の作り方は超シンプル!炭火焼にこだわるお店では、食べやすい大きさに切った生姜焼き用程度の厚さの豚肉を炭火で焼いた後、トロッとした甘辛いタレに絡めてご飯の上に乗せれば完成です。
もちろん炭火ではなくフライパンで作ることもできます。
そうそう、北海道のスーパーでは適度な厚さでスライスされている豚肉が「豚ロース薄切り(生姜焼き・豚丼用)」という表示で販売されていることもあります。
◆美味しい豚丼のちょっとしたコツ
炭火で豚丼を作る利点は遠赤外線でふっくら焼きあがり、網の下に余分な脂が落ちること。家庭でフライパンで作る際は豚肉に火が通ったらフライパンの上に染み出た脂をキッチンペーパーなどでふき取りましょう。
脂をふき取った後、醤油や砂糖でタレを煮詰めて作り、しっかり絡めてご飯の上に乗せれば完成。
ご飯は「ゆめぴりか」のようにもっちりするタイプではなく、「きらら397」や「ななつぼし」のようなさっぱり、粒がしっかりしたものを選ぶとよりお店の味に近づきます。
もはや国民食?「牛丼チェーン店風」豚丼
牛丼チェーンはいくつかありますが、比較的どのチェーン店にも豚肉を牛肉の代わりに使った牛丼風豚丼のメニューがあります。中には「とんどん」と呼ぶ店舗もありますね。
豚肉や玉ねぎを甘辛い牛丼風の煮汁で煮込み、ごはんに乗せて食べるのが牛丼チェーン風。 タレには少し生姜を利かせることで、さっぱりたくさん食べられるようになります。
◆必要な具材は?
薄切りの豚肉(豚バラ肉が定番)と、大きめにスライスした玉ねぎがメインの具材です。
トッピングは帯広風豚丼と同じく温泉卵や紅ショウガがぴったり。
牛丼チェーン店風ということで、トッピングもどんどん挑戦して豪華に盛り付けるのもアリですよ。溶けるチーズやねぎだく、キムチなどをてんこ盛りにしてみても良いですね。
◆チェーン店風豚丼の作り方
作り方は牛丼と同じ!
薄切りの豚肉と5㎜程度のスライスにした玉ねぎをさっとフライパンで炒めた後、醤油やみりん、酒、砂糖、生姜で作るたれと一緒に煮込みます。煮汁が半分程度になれば完成。ご飯の上につゆだくで乗せましょう。
◆ちょっとしたコツ
牛丼風豚丼は脂身の多いバラ肉で作ると柔らかく仕上がります。もちろん、こま切れ肉やロース肉の薄切りで作っても良いですが、牛丼のようにサラサラ食べたいのであれば豚バラ肉がおすすめ!
玉ねぎはたっぷり多めに入れると玉ねぎの甘味がタレに染み出ます。
道産子おすすめの豚丼の作り方はこれ!
炭火焼をすると炭の香りが肉につき、香ばしくて食欲をそそりますが家では再現しづらいです。今回はフライパンで作れる「帯広風豚丼」のレシピをご紹介します。
◆材料(2人前)
- 豚ロース生姜焼き用 300g
- (●)醤油、砂糖 各大さじ2
- (●)みりん、酒 各大さじ1
- 白飯 どんぶりに軽く2杯
- グリンピースや紅ショウガ、白髪ねぎ 少々
◆作り方
- フライパンに分量外の油(サラダ油やオリーブオイル)を小さじ2入れて中火で温める。
- 5㎝程度の大きさに切った豚肉を入れて片面焼き色が付くまで焼き、ひっくり返す。フライパンに残った余分な脂をキッチンペーパーで拭きとる。
- もう片面にも焼き色が付いたら2に(●)の調味料を入れて肉をよく絡ませる。トロっとするように見えるまで水分が飛んだら火を止め、白飯の上に乗せる。
- トッピングにグリーンピース数粒と紅ショウガ、お好みで白髪ねぎを乗せ完成。
◆ちょっとしたコツ
大きなお肉を頬張りたいときには、薄切り肉をカットせずに大きなまま焼いてもOK!
豚肉に焼き色が付くまで焼くことで、香ばしさを出すことができる上にタレが絡みやすくなります。
用意するお米の銘柄は、上記でも触れたようにさっぱりめで粒がしっかりしている品種がおすすめ!
北海道の郷土料理「豚丼」を知ろう
「帯広風豚丼」と「牛丼チェーン店風豚丼」、二種類の豚丼について紹介しました。
北海道の郷土料理である帯広風豚丼の発祥は「ぱんちょう」という帯広市の今でも豚丼で大人気のお店。
日本人の大好きな「うな丼」をヒントにし、当時まだ珍しかった豚肉を使った庶民も気軽に食べられるメニューを、とのことで1933年に創業者が編み出したものです。
「ぱんちょう」の豚丼には、グリンピースが彩に数粒乗っているシンプルなものですが、お肉がどんぶりから溢れんばかりに乗っているのが印象的。香ばしい炭の香りと甘辛い醤油味のタレが大変食欲を誘う逸品です。
帯広を訪れる際にはぜひ召し上がってみてください。
まとめ
北海道の郷土料理「豚丼」について解説しました。ジューシーでプリっと肉厚な豚肉に甘辛い醤油味のタレが絡んだ、日本人なら誰もが好きな味。
家庭でも再現できる簡単レシピも紹介したので、お家で、お店で、北海道の郷土料理をぜひ試してみてださい!