酪農王国北海道に住む筆者たちが牛乳をもっと好きに、もっと美味しく飲むための方法を5つのパターンに分けて紹介します。定番の温めたり冷たいままの飲み方のほか、筋トレやボディメイク中におすすめの飲み方、栄養面や健康も考慮した飲み方、苦手な方やお子様が牛乳の風味や味を気にせず飲みやくする方法など。様々なアレンジやレシピのほか、優れた栄養価や飲むタイミングについても解説します。牛乳の魅力や楽しみ方を知って、もっと好きになってくれると嬉しいです。
牛乳の国内生産量の1/2は北海道から!
「牛乳」とは、その名の通り牛から絞った乳ですが、食品衛生法では成分規格が定められており、牛から搾ったままの未殺菌の乳を「生乳(せいにゅう)」といいます。この生乳が飲用乳やバター、ヨーグルト、チーズ、クリーム、脱脂粉乳など乳製品の原料になります。
北海道は国内の生乳生産量約730万tのうち約400万tと生産量の1/2以上を占める酪農王国です(2020年)。冷涼な気候を好む乳牛にとって北海道はぴったりの環境で、生乳の生産は十勝圏、釧路・根室圏、オホーツク圏など道東地方が盛んです。
牛乳にちょっとした+α!美味しい飲み方を紹介
牛乳はコップに入れてそのままゴクゴク飲めるため手軽な飲み物ですが、温度帯を変えたり、少し別の材料をプラスするだけで違った味を楽しめることができますよ。
【温めて飲む】
ホットミルクにすると牛乳の風味がより引き立ち、体もぽかぽかになりますよね。
温めたものにシンプルな食材をプラスした、美味しいだけでなく体にもうれしい組み合わせを紹介します。
①ココア
定番中の定番。美味しいだけではなく、ココアに含まれる抗酸化物質のポリフェノールは血圧低下や動脈硬化予防、老化防止に効果があるので健康にも嬉しいですね。特に純ココアはポリフェノールの含有量が多いためおすすめです。
②はちみつ
はちみつを大さじ1ほど入れたホットミルクも子どもから大人まで人気の味。はちみつは牛乳に溶けにくい場合があるのでよくかき混ぜてください。はちみつには高い殺菌作用があるともいわれているため、風邪などで喉を痛めたときにはちみつ入りのホットミルクを飲んでみてはいかがでしょうか。生姜をワンポイントで加えても◎。
※ただし1歳未満の赤ちゃんには「乳児ボツリヌス症」の危険性があるため、はちみつは絶対に与えないでください。
③きな粉
きな粉入りのホットミルクも栄養価を高めた飲み方です。作るときは、少量の牛乳を入れて混ぜてペースト状にしてから牛乳を足すとダマにならずなめらかな仕上がりになります。牛乳は栄養バランスに優れていますが、鉄や食物繊維などが少ないため、それをきな粉で補います。甘さが足りない場合は黒蜜や黒糖をプラスするのもおすすめです。
【冷たいまま飲む】
暑い季節やゴクゴクとたくさん飲みたいときには冷たい牛乳がぴったり!栄養価も高いため、夏バテ対策に牛乳を取り入れると良いですよ。
冷たい牛乳におすすめのチョイ足し食材は以下の通り!
①カフェオレ
カフェテリアや喫茶店、コンビニでも目にしないことはないメニューですよね。インスタントコーヒーで手軽に作ってもよし、コーヒー豆や牛乳に拘ってもよし、アレンジして韓国発祥のダルゴナコーヒーを作ったりなど、バリエーション豊かな一品です。
②スムージー
気軽に果物や野菜を摂るならスムージーがおすすめです。お好みの果物や野菜と氷(氷を入れないかわりに果物や野菜を凍らせてもOKです)、牛乳をミキサーに入れるだけで簡単に出来上がります。果物ならバナナやベリー系、キウイ、柑橘類など基本的に何でも合います。野菜なら小松菜やほうれん草、パプリカ、アボカドなどが初めての方には合わせやすい食材です。お好みの食材を見つけ、オリジナルのスムージーを作ってみてはいかがでしょうか。
③ラッシー
インド料理店でおなじみのラッシーは、ヨーグルトと牛乳から作るまろやかな味わいのドリンクです。本場インドでは「ダヒー」と呼ばれる濃厚なヨーグルトが使われますが、日本で購入できるプレーンヨーグルトなどで作っても美味しく仕上げられます。甘みをプラスしたい場合は砂糖やフルーツを混ぜ合わせてみてください。
【ボディメイク中におすすめ!プロテイン】
プロテインはタンパク質を補うためのサプリメントです。最近では様々なフレーバーがあり、いろんな味を楽しむことができるようになりましたよね。プロテインは水や牛乳、時にジュースやスポーツドリンクなどで味に変化をつけることができますが、栄養的な観点からいきますと牛乳が断然おすすめです。
ボディメイクには、筋肉を作るためのタンパク質の摂取と運動の両方が必要不可欠です。筋肉は主にタンパク質を構成するアミノ酸から体内で作られます。特にBCAAと呼ばれる必須アミノ酸は、筋肉のタンパク質分解を抑制し、さらに筋肉の合成を促進する働きがあり、筋肉作りにおいて欠かせない存在です。
牛乳に含まれるタンパク質にはBCAAが多く含まれており、筋肉作りにぴったりの食材です。それに加えカルシウムやビタミンD、ビタミンB群などタンパク質以外にも沢山の栄養素を補うことができます。何より牛乳によって甘味や風味が増すため、プロテインがより美味しく、飲みやすく感じるでしょう。
飲むタイミングは運動直後がおすすめ。運動によって刺激された筋肉が、修復しようと栄養素を取り込みやすくなっているゴールデンタイムにぜひ飲んでみてください。
【牛乳の栄養に健康をプラス!】
より健康的な組み合わせとして、以下の食材のチョイ足しはいかがでしょうか。
①黒酢
黒酢に多く含まれるアミノ酸には疲労回復効果があり、牛乳に含まれるアミノ酸の細胞トリプトファンには安眠効果があります。寝る前に黒酢牛乳を飲むことで、体の疲れを吹き飛ばしましょう。
黒酢を混ぜると牛乳がヨーグルトのようにトロトロになり、数分放置すると分離し、飲みづらくなることがあります。黒酢を混ぜた牛乳は早めに飲んでしまいましょう。
②ミックスジュース(みかん、バナナ)
みかんには美肌に効くビタミンA・Cが含まれています。バナナには高血圧予防に効果のあるカリウム、疲労回復、代謝の促進に働くビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維が含まれています。牛乳と合わせて飲むことで栄養素をバランスよく摂取できます。
【苦手な人やお子様におすすめ!】
牛乳の風味や味がどうしても苦手、という方もいるはず。
比較的飲みやすい牛乳を使用した簡単メニューをお伝えします。
①ミルクシェイク
お好みの市販のアイスと牛乳を混ぜるだけでできる時短で簡単なミルクシェイク。アイスクリームと牛乳を1:1の分量でミキサーに入れ、材料をまぜてグラスに注ぐだけなので、お子様の夏のおやつにぴったり! ミキサーが無い場合はポリ袋に材料を入れ、タオルの上からもみもみすると良いですよ。
②かぼちゃポタージュ
かぼちゃを柔らかくなるまで茹で、バターで炒めた玉ねぎとコンソメ、牛乳を加え、ブレンダーやミキサーで滑らかになるまで混ぜればお店に負けないポタージュの出来上がりです。かぼちゃの濃厚な味で牛乳感が和らぐので牛乳が苦手な人にもおすすめ。小さなお子様には無塩バターに変更したり、コンソメの量を調整するだけで塩分控えめのポタージュになります。現在筆者には1歳児の息子がいますが、これが大のお気に入りです。
牛乳はいつ飲むと良い?そのタイミングについて
私たちの毎日の暮らしに欠かせない「牛乳」。皆さんは牛乳をいつ飲みますか?
実は牛乳を飲む時間帯によって、効果が異なることが分かってきました。
【朝に飲む場合】
朝は忙しくて時間が取れない…という方にこそ牛乳はおすすめです。タンパク質を豊富に含むため、1日の活力源にするならぴったりです。 また、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)は、腸内で乳酸菌のエサになり、善玉菌を増やす働きがあります。朝のお通じが気になる方は、朝に牛乳を飲む習慣をつけたら良いかも知れません。ただし、牛乳を飲むと毎回お腹を壊すという方は、乳糖不耐症の可能性があります。これは体内のラクターゼという酵素の働きが鈍く、乳糖を消化吸収できないことから起こります。全く飲めないという人もいれば、温めたり少量なら大丈夫などさまざまなので、心配な方は医療機関で相談してみるといいかもしれませんね。
【夜に飲む場合】
骨や筋肉は夜寝ている間につくられるため、体をつくるためには夜寝る前に摂るのがおすすめです。さらに体をつくる際に必須のカルシウムは、寝ている間にも体の各所で使われるため、食事が摂れない睡眠中はカルシウムが不足しがちです。夜に飲むことでカルシウム不足を補うことにも効果的です。
また、牛乳に含まれるアミノ酸の一種トリプトファンには、睡眠を促すホルモンメラトニンを作りだすので、安眠効果も期待されています。
いかがでしょうか。皆さんの体の目的に合わせて、牛乳を飲むタイミングを変えてみても良いかもしれませんね。
牛乳に限らず、食べるのにいいタイミングがある食べ物や飲み物はいろいろありそうです。気になる方はぜひ調べてみてくださいね。
まとめ
牛乳の栄養価、アレンジ方法や飲むタイミングについてお伝えしました。牛乳は各種栄養素がバランスよく含まれており、かつ毎日手軽に摂ることができる非常に優秀な食材です。ぜひ普段飲む牛乳にアレンジを加えて、牛乳の色んな美味しさ、魅力を追求してみてください。