【卵の選び方】有精卵と無精卵、平飼いとケージ飼い。あなたはどの卵を選びますか?

北海道食材の豆知識
Ayaka Izawa

Ayaka Izawa

フリーランスで管理栄養士の仕事をしながら、北海道栗山町の井澤農園で販売・営業を行い、地域の産品作りや食育などの地域おこし事業にも関わっています。 自称「農家フェチ」!

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栄養素が豊富で毎日のように食べる「卵」、あなたはいつもどんな基準で選んでいますか?卵は育て方の違いや有精卵か無精卵かで金額がガラリと変わります。今回は卵のことをより深く知ることで、「消費者である私たちも、卵を産むニワトリたちも幸せになれるような卵の選び方」ができるようになっていただければ嬉しいです。 栄養素だけではなく、育て方やこだわりへの「価値」を再認識してみましょう。

まずは「有精卵」について

鶏と卵

有精卵とは「受精した卵」のことを差します。メスのニワトリとオスのニワトリを同じ空間で育て、交尾をして産まれた卵が「有精卵」と呼ばれます。オスのニワトリ1羽に対してメスのニワトリが10~15羽を同じケージの中で飼うことで、有精卵が採取できると言われています。しかし、オスとメスの間にも相性があり、すべての卵が受精するとは限らないため、「有精卵」と書かれていてもまれに受精していない「無精卵」が混じることもあります。

「有精卵」と明記する場合、雄鶏の割合を明記するとともに有精卵ではない鶏卵が含まれている可能性がある旨(又は有精卵となる確率)を書くことが法律により義務付けられています。

「有精卵」と「無精卵」の違いについて詳しく知ろう

有精卵と無精卵の違いは「受精してるかどうか」です。メスのニワトリは品種改良されてきたことによって、成長するとほぼ毎日卵を産むことができます。

「有精卵」は受精しているため、卵を温めるとヒヨコが孵化する可能性があります。メスのニワトリだけで産んだ卵は「無精卵」と呼ばれ、温めてもヒヨコは孵りません。

スーパーで売られている卵は一般的に「無精卵」です。

①栄養素に違いはある?

生卵,卵黄

無精卵と有精卵は栄養価には差はありません。「精子が卵の中に入っているかいないか」の違いしかないため、同じ卵であるのだから含まれる栄養素やその量に差は出ないということです。

一般的に無精卵よりも有精卵の方が価格が高いため栄養価も高いと思われがちですが、それは間違いです。

②味に違いはある?

フライパンで目玉焼きを作る

有精卵と無精卵には味に違いはありません。ただ、有精卵がとれるような環境で育ったニワトリはストレスが少なく、エサもより自然で、健康的なニワトリの卵であることが多いため、卵特有の生臭みが少なくコクがあると言われることもあります。

③賞味期限に違いはある?

賞味期限のシールが貼られた卵

スーパーで売られている無精卵の賞味期限は2~3週間。有精卵もほぼ同じ賞味期限か、少し短いくらいです。有精卵は長期間暖かい場所に保存すると細胞分裂が始まり品質が落ちます。20度以上の環境に置かないようにし、冷蔵庫でしっかり保管しましょう。

④どうして有精卵は値段が高いの?

スーパーの売り場で卵を手に取る

「有精卵」と表示するためには景品表示法という法律の中の「鶏卵の表示に関する公正競争規約」の中で、明確な決まりがあります。「「有精卵」はこれに類する用語は、成雌鶏と成雄鶏を施行規則で定める基準(雌100羽に対して雄5羽以上とする)により混飼し、自然交配によって受精可能な飼育環境であることが確認された場合に限り、表示することができる。」、これが決まりです。

自然交配によって受精可能な飼育環境とは、一羽ずつが狭い部屋で暮らす一般的な「ケージ飼い」ではなく、平飼いもしくは放し飼いが理想です。

スーパーなどで安売りされる卵はケージ飼いの養鶏場で採取されており、効率よく卵を産ませることができるため安価になります。一方、有精卵が採取できる養鶏場は生産性は低くてもニワトリにストレスなく健康的に飼育できる平飼いや放し飼いにこだわり、エサや水にも気を使うため高価になります。雄鶏を飼育するコストもかかりますね。

⑤見分け方

3個の卵と割られた生卵

有精卵と無精卵の見分け方は、卵の殻を見てもわかりません。割ってみると初めて「胚」という受精した証が残っていることを確認できます。生卵を割った時に黄身の上にある3~4㎜ほどの大きさの薄くて白い輪がハッキリ大きくなっていれば「胚」ができており有精卵の証拠です。

孵卵器などの暖かい場所に置くとどんどん細胞分裂を行うため、孵卵5~7日目には暗室で光を当てて卵の中を透かして見ると受精しているかどうかが分かります。全体的にやや赤みがあり、卵黄部分に黒い点や血管がみられるのであれば有精卵です。ただし、この方法はヒヨコを孵化させたい場合にのみ専門家が行う判定方法です。

飼育方法の違い

有精卵と無精卵には栄養価や味の違いは無いこと、飼育方法によって価格に差が生まれていることが分かりましたね。
ここで、飼育方法による違いを確認しましょう。

ケージ飼いとは

ケージで飼育されている鶏

ケージ飼いとは、鶏を小さな網の小屋の中に入れて育てて卵を産ませる飼育方法です。鶏のケージは幅24㎝、奥行き40㎝、高さ43cmのカゴが何段にも重なっている形をしています。1つ1つのカゴの中にニワトリが2~3羽入り卵を産むのが「ケージ飼い」です。 栄養価が高く、簡単に調理できる貴重なタンパク源の卵を安価にたくさんの人が食べられるようにと工夫されてきた結果、このような「ケージ飼い」が主流となっています。

平飼いとは

平飼いの鶏

平飼いは、平らな空間に餌場や水飲み場、遊ぶことのできる枝や木、落ち着いて産卵できる場所などが整っている空間で鶏を飼育する方法です。厳密にいうと、飼育場の広さによって何羽までのニワトリが飼えるかが決まっています。

卵を産み暮らすような空間だけでなく、牛の放牧でイメージするような運動スペースが併設されている平飼い養鶏場も存在します。

諸外国では「アニマルウェルフェア」という、家畜の「動物としての幸せ」に着目した育て方が提唱されており、従来の「ケージ飼い」による効率とコストカットを重視した飼育方法ではなく、平飼いやそれに準ずる育て方が理想とされています。

有精卵を選ぶ理由、メリット

ゆで卵を手に持つ

ここまでで、有精卵と無精卵の違いのほか、スーパーで売られている卵に潜む問題も少しお分かりになられたと思います。最後に、有精卵を選ぶ理由やメリットをお伝えします。

生産者を応援できる

平飼いの有精卵、有精卵ではなくてもニワトリたちのアニマルウェルフェアを大切にしながら育てている生産者が育てたニワトリの卵を買うことで、その生産者が今後もニワトリを大切に育てていくことができるという循環が生まれます。

消費者がケージ飼いではなく、平飼いの卵を選んで買うことで、よりたくさんのニワトリが幸せに暮らすこともできます。

心から美味しいと感じられる卵を食べられる

ケージ飼いの卵でもエサにこだわれば美味しい卵はできますが、ニワトリにかかるストレスを想像すると心から喜ぶことはできないと思います。平飼いの有精卵を選ぶことで、ニワトリも幸せに、生産者も幸せに、食べる自分自身も幸せな気持ちになれるはずです。

有精卵のおすすめレシピ

有精卵を味わうにはやはり素材の味を感じられる食べ方がおすすめです。シンプルに茹で卵、付け合わせとしても大活躍するポーチドエッグを紹介します。

卵の美味しさを味わう!理想の茹で卵

茹で卵を鍋で作る

茹で卵は茹でる時間によって出来上がりに差が出ます。まずは冷蔵庫から出したての卵は温度変化によって割れやすいため、冷蔵庫から出して10分ほど放置。その後、鍋に入れ卵が被る程度の水を入れて中火で熱します。

半熟卵にしたい場合、沸騰後7分間コトコト茹でましょう。固ゆでが好きな場合は11分が目安です。卵は12分以上茹でると硫黄臭さがでてしまい、卵本来の味が分かりづらくなってしまうため茹ですぎには注意!

茹で上がったらすぐに水を入れて冷まし、氷水に浸して粗熱をとってから剥きましょう。氷水に入れることで卵がギュッと締まり、殻が剥きやすくなります。

ポーチドエッグ

2個のポーチドエッグ

深めの小鍋にたっぷりのお湯を沸かし、沸騰後に酢(大さじ2)と塩(小さじ1)を入れます。鍋のふちを箸でぐるぐる混ぜ、お湯の流れを作ります。お湯がぐるぐる流れている鍋の真ん中に容器に割っておいた卵を静かに入れ、再びぐるぐる流れを作ります。混ぜるのをやめ、弱火にして3分程茹でたら穴あきお玉や網じゃくしで掬い上げ、キッチンペーパーの上に乗せて完成です。

プリっとした白身の中にあるトロトロの黄身が美しい!パスタやサラダに乗せて召し上がれ♪

北海道には魅力的な卵がいっぱい!

北海道は広大な土地があります。地価が安い分、平飼いするコストを下げられるため、エサや環境にこだわった魅力的な卵がたくさん生産されています。

有精卵でも無精卵でも、せっかくならば生産者がこだわりを持ち育てた、健康なニワトリが産んだ卵を選びたいですよね。卵には私たちの体を作る栄養素がギッシリ詰まっています。同じ卵を食べるなら、幸せに暮らしているニワトリの卵を食べたいと思いませんか?

まとめ

卵は栄養バランスの良い食材ですが、卵を産むのはニワトリです。健康で幸せに育ったニワトリが産む卵は格別!生産者のこだわりも詰まった、まさに「生命のかたまり」です。

日ごろ食べている卵がどんな環境で生まれ、どんな人が育てているのかが気になったらぜひ「平飼い卵」や「有精卵」を選んで召し上がってみてはいかがでしょうか。

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