【昆布】を食べよう!優れた栄養と効能。旨味だけじゃない食材としての魅力

北海道食材の豆知識
Ayaka Izawa

Ayaka Izawa

フリーランスで管理栄養士の仕事をしながら、北海道栗山町の井澤農園で販売・営業を行い、地域の産品作りや食育などの地域おこし事業にも関わっています。 自称「農家フェチ」!

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出汁はもちろん食材としても日本人の食生活に欠かせない昆布。うまみ成分のグルタミン酸が有名ですが、昆布にはミネラルや食物繊維も豊富に含まれ、ヨウ素は食品の中でもトップクラスの含有量です。栄養たっぷりでヘルシーな昆布について、管理栄養士の筆者が詳しく解説。根昆布や加工製品との比較や出汁がらの活用方法についてもご紹介します。

昆布とは

おでんの昆布

和食やお祝いの料理には欠かせない食材の「昆布」。北海道は昆布生産地としての歴史が古く、鎌倉時代にはアイヌ民族の獲った昆布が宮廷や武士の慶事に使われていました。その後、江戸時代には町民や農民にも消費が拡大し、日本海まわりの西廻り航路「北前船」の主要な輸送物となりました。

昆布は海で育つ海藻の仲間。植物のように根・茎・葉を持ちますがその機能は全く異なり、根は岩に付着するためだけの器官で、体全体で栄養の吸収をします。ちなみに昆布のだしが海の中で出ないのは、昆布が生きているため。昆布のだしの元であるグルタミン酸が、昆布が生きているうちは細胞内に閉じ込められていることによるものです。お味噌汁や煮物を作るときに昆布を入れるとだしが出るのは、そうすることで昆布の細胞膜が破壊され、グルタミン酸が漏れてくるためです。

北海道は生産量No. 1

昆布を干す

北海道での生産量は全国の90%以上を占め、函館市、根室市、えりも町などで特に盛んです。昆布は産地によって採れる種類が異なります。 「真昆布」は厚みがあり大型で幅広いことが特徴。上品な味わいで澄み切った出汁がとれます。「日高昆布」は三石昆布とも呼ばれ、黒味を帯びた帯状の昆布です。柔らかく煮えやすいため、おでんや昆布巻きにも使われます。「利尻昆布」は真昆布に比べてやや固い昆布。風味が良いため会席料理などに使われます。この他にも羅臼昆布長昆布厚葉昆布細目昆布ガゴメ昆布など種類は多岐に渡り、味わいも異なるため、メニューやお好みによって使い分けると料理の幅が広がりますよ。

昆布の優れた栄養について詳しく知ろう

水で戻した昆布

真昆布(乾燥)100gあたり146kcal、タンパク質5.8g、脂質1.3g、炭水化物は64.3g、食物繊維27.1g、カリウム6,100mg、カルシウム780mg、鉄3.2mg、ヨウ素20,000μgです。

出汁にすると、100gあたり4kcal、タンパク質0.1g、脂質0g、炭水化物は0.9g、食物繊維0g、カリウム140mg、カルシウム3mg、鉄0mg、ヨウ素5,300μgです。

昆布は「よろこぶ」を意味する縁起物。栄養面でみても、身体が喜ぶ栄養素がたくさん詰まった食品です。昆布に多く含まれる栄養素を下記でご紹介します。

①食物繊維(アルギン酸、フコイダン)

昆布には水溶性食物繊維であるアルギン酸、フコイダンが豊富に含まれています。昆布を煮た時に出てくる、あのネバネバ、ヌルヌルとした粘性が特徴です。糖質や脂質の吸収を抑え、コレステロールの上昇を抑えたり、腸内の善玉菌を増やす効果があります。

②ミネラル

昆布にはカルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、ヨウ素などのミネラルが多く含まれています。カルシウムは骨や歯の健康を維持し、鉄は赤血球を作る栄養素、ナトリウムとカリウムは体の水分調節を行う栄養素、ヨウ素は新陳代謝を促進する栄養素です。 昆布は特にヨウ素が豊富に含まれており、ヨウ素の摂りすぎは甲状腺の機能低下を起こす危険性もありますが、適量であれば問題はないでしょう。

③うまみ成分「グルタミン酸」「アスパラギン酸」

昆布のうまみはグルタミン酸とアスパラギン酸の2つのアミノ酸から由来します。昆布のうまみを利用することで、おいしく減塩することができます。グルタミン酸とアスパラギン酸は水に溶ける性質を持っており、さらにかつお節などに多く含まれているイノシン酸と合わせて食べるとうまみがより増します。故に、昆布とかつお節で出汁をとることは非常に理にかなった組み合わせと言えます。

④マンニトール

乾燥昆布の表面についている白い粉。筆者は幼い頃海で採れた時に残った塩だと思っていました(笑)。あの白い粉の正体はマンニトールと呼ばれ、昆布のうまみ成分の一つです。マンニトールは糖アルコールの一種で、昆布をはじめとした海藻類に含まれていたり、ガムなどのお菓子の甘味料などにも使われています。白い粉を昆布についた汚れやカビと間違えて洗い流してしまうのはうま味成分を流してしまうことと一緒でもったいないです。そのまま出汁や料理にしておいしくいただきましょう。

昆布は食べすぎず、適度な量を

栄養満点の昆布ですが、食べすぎるとヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があります。日本では成人のヨウ素の1日摂取上限値は3mg/日。乾燥昆布には100gあたり100〜400mgのヨウ素が含まれているため、10gほど乾燥昆布を摂取するだけで簡単に上限値を超えてしまうことになります。ダイエットなどで極端に昆布ばかりを食べる生活は健康を害する可能性があるため注意しましょう。

根昆布や加工昆布との栄養比較

昆布は加工製品としても優秀な食品です。昆布はそのままだと硬いので、加工品にする際は柔らかくするため、また保存性を高めるために酢酸溶液に浸すのが一般的です。ここでは根昆布、加工昆布製品についてご紹介します。

根昆布

根昆布

昆布は植物のように根・茎・葉をもち、根昆布はその葉の下部と茎の上部の間の部分のことを指します。根昆布は葉や茎よりも細胞分裂が盛んで、栄養価が高い部分です。根昆布は一晩水に浸し、昆布水にして飲むことができます。よく「めかぶ」と混同しますが、めかぶはわかめの根元の部分を指します。

加工された昆布製品

塩昆布と乾燥昆布

昆布の加工製品には、塩昆布やとろろ昆布、昆布茶、酢昆布など種類が多岐にわたります。出汁や煮物などに使用するだけでなく、飲み物やおやつにと手軽に食事に取り入れることが出来るのも昆布の魅力です。加工された昆布製品でも上記に挙げた水溶性食物繊維やミネラルなどの栄養素はほぼ失われず摂取することができます。

その他海藻類との比較

海藻類,昆布・わかめ・ひじき・海苔

海に囲まれた島国である日本では身近な存在の海藻類。昆布以外にわかめ、ひじき、のりなども普段の食生活でよく目にしますよね。わかめにはビタミンK、ひじきには鉄分、カルシウム、のりにはたんぱく質といったそれぞれの良さがあります。昆布の特出した栄養素はやはりうま味成分であるグルタミン酸、ヨウ素。摂りたい栄養素に合わせて普段の食事に海藻類を取り入れましょう。

出汁をとった後の昆布にも栄養が!だしがらの活用方法

昆布の出汁をとる

実は、出汁をとった後の昆布もミネラルや食物繊維など栄養満点。そのまま捨ててしまうのはもったいないので、調理に使ったり、すぐ使わない場合はラップで包んで冷凍しておくのもおすすめ。細切りにして煮物にしたり、甘辛く炒めて佃煮にしてご飯のおともにも。丸ごと昆布の栄養をおいしくいただきましょう。

栄養満点の昆布レシピ

昆布はだしをとるだけではもったいないということが分かりましたね。次は昆布を活用した簡単で美味しいレシピを紹介します。

◆かんたん!お刺身の昆布〆

鯛の昆布締め

こだわりのある和食屋さんで食べるイメージが強い魚の昆布〆。昆布でお刺身を挟むだけでできちゃいます。使い終わった昆布は煮物に入れたりスープの出汁に使えますよ。
甘エビやホタテも昆布〆にすることで昆布が水分を吸い、モッちりした食感になる上、旨味を増します。そのまま食べる分には醤油はいらないですが海鮮丼にもどうぞ!
白身魚の場合は1人前(魚の身50g)55kcal、塩分0.4g。

《材料》

  • 昆布 10㎝四方を2枚(お刺身を挟めればOK)
  • 刺身用魚 適量

《作り方》

  1. 昆布にお刺身をサンドし、ラップできっちり包んで冷蔵庫で3時間~12時間。お好みで時間を調整してみて。魚は刺身状に切れているものでも、柵の状態でも良い。
  2. お好みの大きさに切り分け、皿に盛り、いただく。

◆出汁昆布チップス

出汁昆布チップス,昆布の素揚げ

出汁を取った後の昆布を素揚げするとあら不思議!パリパリのチップスに変身します。香ばしい風味の中に昆布の旨味を感じられる素材が活きたチップスです。
甘じょっぱい砂糖醤油を絡ませても美味しいです。(30gあたり110kcal、塩分0.5g)

《材料》

  • 出汁昆布 適量
  • 揚げ油 適量

《作り方》

  1. 出汁昆布をキッチンバサミで一口大にカット。細長い短冊状でもOK。
  2. 160度ほどの油に昆布を入れ、昆布が浮かび上がるまで低温でじっくり揚げる。
  3. キッチンペーパーに取り、完成。甘い味が好きな方は熱いうちに砂糖醤油に絡めて乾燥させて、白ごまをまぶします。

まとめ

昆布は和食やお祝い料理で必須なのはもちろん、栄養豊富で、健康を支えるうえでも必須な食品だということが分かりましたね。昆布は素材の味わいを引き立て、旨みを引き出します。ぜひ普段の食生活に取り入れ、昆布の魅力を存分に味わいましょう。

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