かぼちゃの保存方法。常温、冷蔵、冷凍に分けて管理栄養士が詳しく解説

北海道食材の豆知識
Ayaka Izawa

Ayaka Izawa

フリーランスで管理栄養士の仕事をしながら、北海道栗山町の井澤農園で販売・営業を行い、地域の産品作りや食育などの地域おこし事業にも関わっています。 自称「農家フェチ」!

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スーパーで購入するかぼちゃはほとんどがカット売りですよね。旬の時期には直売所や産直コーナーで美味しそうなかぼちゃが丸ごと売っていることもありますが、好きであっても丸ごと1個となると傷む前に食べきれるか自信がなく購入を悩んでしまうという方も少なくないはず。北海道産のかぼちゃは1玉で約1.5~2㎏もありますから。

それでも、生産者が自信を持って販売する甘くて栄養豊富なかぼちゃをぜひお家でお取り寄せしてほしい! 今回はかぼちゃを傷ませることなく食べ切るためのおすすめの保存方法をご紹介します。

丸ごと、カット済みのかぼちゃそれぞれのおすすめ保存方法

最近のスーパーのかぼちゃは大半がカット売り。傷みや中の色を確認できるため、カット売りにも良い部分はありますが、丸ごと購入した方が割安で日持ちもしますよ。 丸ごとのかぼちゃとカット済みのかぼちゃ、それぞれのおすすめ保存方法をお伝えします。

【丸ごと】のかぼちゃは冷暗所一択!

冷暗所で保管する大量のかぼちゃ,南瓜

かぼちゃは丸ごとで保管すると、1か月程度は日持ちします。直射日光が当たらない涼しくて風通しの良い場所で保管すると良いです。温度帯の理想は10~15℃ですが、それより温かいと腐りやすく、それより寒いとかぼちゃの糖化(デンプン質が分解されて甘くねっとりしていく)が進みません。

保存している間にヘタの部分が腐ったり、輸送中についた傷からカビが発生することもあります。長期間保存が可能な品種のカボチャも、輸送中の傷や個体差で日持ちしないこともあります。腐敗やカビを発見したら早めに食べるようにしましょう。

【カット済み】かぼちゃの「冷蔵」保存方法

冷蔵庫の中で保存する南瓜

かぼちゃは切ると一気に保存性が悪くなります。種とワタの部分からカビや腐敗が始まるため、冷蔵保存する際は必ず種とワタをスプーンできれいに取り除きましょう。乾燥を防ぐためにポリ袋に入れるかラップをし、冷蔵庫の野菜室で保存すると約1週間は日持ちします。

【カット済み】かぼちゃの「冷凍」保存方法

冷凍庫で凍らせた南瓜、凍ったかぼちゃのスライス

冷凍保存する場合は食べやすい大きさにカットしてから蒸すかレンジで柔らかくなるまで加熱した後、粗熱を取ってトレイに並べて冷凍しましょう。凍った後にフリーザーバックに入れることで、使うときにかぼちゃを1切れずつ取り出すことができます。

マッシュして保存する場合はボウルでつぶした後、粗熱を取ってから保存袋に入れて平らになるように均してから凍らせます。この時、1回に使う量ごとに溝を作っておくとより便利です。

冷凍すると3か月以上は美味しく食べられます。

冷凍かぼちゃの解凍方法とおすすめの料理

かぼちゃの煮物

冷凍したかぼちゃは冷蔵庫内や常温での自然解凍はせず、冷凍のまま調理します。
かぼちゃの煮物にする際は凍った一切れずつのかぼちゃを鍋に入れ、醤油や砂糖で作った煮汁を作り加熱するだけ。
スープやシチューにも、凍ったまま入れましょう。一度火を通しているため、かぼちゃ全体が熱くなれば完成です。

サラダやグラタンに「マッシュかぼちゃ」を使用する場合、電子レンジで熱くなるまでしっかり温めなおしてから使用しましょう。余分な水分も飛び、ホクホクとした食感が楽しめます。

かぼちゃの品種ごとの違いを知ろう!

「かぼちゃ」と一言で言い表しますが、かぼちゃには大きく分けて2つ種類があります。「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」です。

日本かぼちゃは100gあたり49kcal、タンパク質1.6g、脂質は0.1g、炭水化物は10.9g、食物繊維は2.8gです。糖質は「炭水化物ー食物繊維」で求めるため、8.1gです。
あっさりした味でホクホクとしたでんぷん質が少ないことから、糖質は少なめ。また、βカロテンも少ないため日本かぼちゃは厳密にいうと緑黄色野菜ではありません。

西洋かぼちゃは100gあたり91kcal、タンパク質1.9g、脂質は0.3g、炭水化物は20.6g、食物繊維は3.5gです。糖質は17.1gです。野菜にしては高カロリーで糖質も高いのですが、白飯は100g168kcal、糖質約37gを含むため、白米と比べるとヘルシーな食品ですね。

日ごろ良く食べる西洋かぼちゃも、品種によって食べごろの期間が違い、保存性も異なります。メジャーな西洋かぼちゃの品種を紹介します。

◆みやこ

ホクホクとした食感で甘味も強く、味が良いため長年愛されている品種です。肉色はやや黄色っぽく、皮は緑色です。舌触りが滑らかなため、煮物や天ぷら向きのかぼちゃです。
日持ちもある程度しますが、10月頃までに食べ切ることをおすすめします。

◆味平

ホクホクとしっとりの間の食感で、かぼちゃの濃厚な風味と甘さが特徴です。肉色は濃いオレンジ色をしていて見た目から美味しそうなかぼちゃです。
味は良いのですが長持ちはしないため、10月中旬までに食べ切ると安心です。

◆えびす

えびすかぼちゃも「みやこ」と同じくロングセラー品種。肉色はややオレンジ色。
ややねっとり系の肉質で皮の色が黒っぽい緑色をしています。皮が柔らかいため、加熱すると皮の食感が気にならずに食べられます。

◆坊ちゃん

坊ちゃん南瓜

坊ちゃんは手のひらに乗るくらいの小さいサイズのカボチャです。一人暮らしの方の食べ切りや、丸ごと1個を器として使う料理に向きます。
肉色はオレンジ色をしていて味も濃厚です。ほくほくとねっとりの間の食感が楽しめます。

◆栗天下(くりてんか)

黒っぽい緑色の皮をした貯蔵性の良い品種です。寒い場所に保管すると12月いっぱいまで食べられます。9月頭の収穫直後はホクホク感が強くのどに詰まるようなかぼちゃですが、10月を過ぎるとしっとりしてきます。 「栗」が付く品種はやや黄色っぽい明るい色が特徴で、栗天下も明るいオレンジ色の肉色です。

◆雪化粧(ゆきげしょう)

雪化粧かぼちゃ

皮が白っぽいかぼちゃの代表角です。サイズも大きく育ち、皮も硬いためかぼちゃ好きや大家族向けのかぼちゃです。貯蔵性に優れていて、寒い場所に保管できれば年明けまで長持ちします。
ホクホク感が強く、12月にもなると甘みも増し、食べるのを楽しみに待てる人には「ごちそう」的なかぼちゃです。

◆九重栗(くじゅうくり)

九重栗かぼちゃ

肉色が濃い黄色をしており、栗のようなお尻の部分がとんがった形をしているかぼちゃです。ホクホクした食感で甘さも感じられるため、シンプルに蒸すだけでも美味しいかぼちゃです。
皮が薄くて柔らかく包丁が入りやすいため、力の弱い人でも調理しやすいです。日持ちはあまりしないため、購入後は1か月程度で食べ切りましょう。

◆赤ずきん

皮が赤みがかったオレンジ色をしており、肉色もオレンジ色が濃いかぼちゃです。貯蔵性に優れているためホクホクとしたデンプン質の食感が強く、貯蔵すると甘みが強くなりねっとり感が出てきます。皮が硬いためしっかりした包丁と力が必要です。
皮の色が緑色ではないため、皮ごとポタージュやお菓子作りに使ってもオレンジ色がきれいです。

まとめ

かぼちゃの栄養価やおすすめレシピ、保存方法をお伝えしました。かぼちゃは品種によって見た目も味も保存性も違うため、自分が食べたいかぼちゃの特徴に合った品種を見つけて購入してみてください。

冷凍保存することで、より長い間美味しいかぼちゃを食べられますよ。

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