【漬物】の種類を知ろう!塩・醤油・味噌・粕・麹・酢…、漬ける原料ごとの特徴と代表的な漬物について

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NORTH DISH編集部

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塩を使って野菜を長期保存できるようにした「漬物」は、干物と並び最も古い保存食品の一つとされています。日本人の食卓に欠かせない漬物には、梅干し・たくあん・しば漬け・奈良漬けなど名前を聞いただけで原料と漬け方がわかるものがありますが、漬床や漬液の違いによっていくつもの種類に分類されています。今回は漬け込み方の違いによる特徴と代表的な漬物をご紹介。保存性だけでなく、野菜を丸ごと使った栄養面や乳酸菌発酵の効能も注目される漬物を詳しく知って、食べる機会を増やしましょう。

①塩漬け

梅干し,塩漬けの代表的な漬物

「塩漬け」は材料を塩で漬け込んだもので、漬物の基本と言えます。塩の高い浸透圧を利用した調理法で、食材に塩味をつけ、防腐の働きによって保存性を高めます。生のままだと独特のえぐみがあったり、アクがあったり、繊維質が強くて食べにくい野菜も、少しの塩で漬け込むことでしんなりと食べやすくなる上、風味や旨みを醸し出して美味しくしてくれます。簡単で保存のきく塩漬けは、家庭はもちろん定食屋さんでも登場頻度の高い漬物です。

《有名な「塩漬け」の漬物》

梅漬け、梅干し、がっくら漬け(青森県)、しば漬け(京都府)、野沢菜漬け(長野県)、広島菜漬け(広島県)、高菜漬け(福岡県/熊本県)、山川漬け(鹿児島県)
※野沢菜・広島菜・高菜は、「日本三大漬け菜」と呼ばれています。

②しょうゆ漬け

福神漬け,醤油漬けの代表的な漬物

「しょうゆ漬け」は、材料を醤油に漬け込んだものです。大豆・小麦・塩が基本原料の発酵調味料である醤油。その旨味と風味が加わったまろやかな味わいの漬物になります。全国的に食べられているものとして、「大豆の醤油漬け」があります(地域によって作り方に特色あり)。また、中国・四国地方では葉わさびの醤油漬けが身近な存在。にんにくやシソの実も忘れてはなりません。野菜以外で有名なものはなんといっても「イクラ」ですね。そして同じくご飯と相性抜群の「卵黄」も自宅で醤油漬けにしている方は多いのではないでしょうか。醤油は家に必ずある調味料でしょうから、材料や他の調味料と合わせなど様々なアレンジを楽しめるのが嬉しいですね。

《有名な「しょうゆ漬け」の漬物》

福神漬け、松前漬け(北海道)、おみ漬け(山形県)、壺漬け(鹿児島県)
※しば漬け(京都府)、野沢菜漬け(長野県)、広島菜漬け(広島県)、高菜漬け(福岡県)も漬け原料によっては醤油漬けに分類されます。

③みそ漬け

南蛮みそ,味噌漬けの代表的な漬物

「みそ漬け」は、味噌を主とした材料に漬け込んだもの。米や麦に大豆と塩を加えたものが基本原料になる発酵調味料の味噌。濃厚な旨さと香り豊かな一品に仕上げることができます。全国各地に伝わる漬け方ではあるものの、野菜を使った有名な漬物は少ないです。魚や肉を味噌に漬けても絶品になり、京都の西京漬は特に有名。また、埼玉県秩父の豚肉の味噌漬け、神奈川県厚木の郷土料理でもある「とん漬け」などの名物グルメもあります。米味噌・麦味噌・豆味噌・だし入り味噌、使用するもので味わいや風味が変わりますので、いろいろ試してみてはいかがでしょうか。

《有名な「みそ漬け」の漬物》

仏手柑の味噌漬け(熊本県)、むかでのりの味噌漬け(宮崎県)、パパイヤ漬け(鹿児島県)

④かす漬け

奈良漬け,代表的な粕漬けの漬物

「かす漬け」は、酒粕またはこれに砂糖類・みりん・香辛料等を加えたものに漬け込んだもの。酒粕の旨味がしみこみ、風味も良くなる漬け方です。みりん粕に漬けると濃厚な甘みがつくという特徴もあります。野菜だけでなく、肉や魚の粕漬けはご飯にピッタリのおかずになり、果物やチーズを漬けるとお酒と相性抜群の一品に変身します。

《有名な「かす漬け」の漬物》

山海漬け(新潟県)、わさび漬け(静岡県/長野県)、奈良漬け(奈良県)

⑤こうじ漬け

べったら漬け,麹漬けの漬物

「こうじ漬け」は、米麹またはこれに砂糖類・みりん・香辛料等を加えたものに漬け込んだもの。麹の酵素によってでんぷんが糖化して発酵が促され、その香りと甘みは食材の旨さを引き立たせ、食感をやわらかくジューシーにしてくれます。

《有名な「こうじ漬け」の漬物》

ニシン漬け(北海道)、三五八漬け(福島県/山形県/秋田県)、べったら漬け(東京都)

⑥酢漬け

らっきょう漬け,酢漬けの漬物

「酢漬け」は、食酢・梅酢・りんご酢等を主とした材料に漬け込んだもの。酸によって腐敗菌を防止する保存漬けであり、使用する酢の種類によって味や香り、風味が増します。西洋のピクルスは酸味が強いものが多く、肉料理などの脂っぽい食事にぴったり。複数の野菜をミックスすると色彩の鮮やかさも楽しめます。塩でさっと味付けした浅漬けにも、酢をちょっと入れるだけで防腐効果がアップ。酢漬けは二度漬けすると味がまろやかになる特徴もありますので、エコな漬物とも言えます。

《有名な「酢漬け」の漬物》

赤かぶの千枚漬け(青森県)、千枚漬け(京都府)、日野菜の酢漬け(三重県)、さくら漬け(滋賀県)、らっきょう漬け(鳥取県)、ピクルス

⑦ぬか漬け

糠漬け,ぬか漬け

「ぬか漬け」は、塩ぬか(米糠などのぬか類に砂糖・塩などを加えたもの)に漬け込んだもの。米糠に含まれる乳酸菌や酵母の発酵により、独特の風味が出ます。発酵の豊かな香味に加え、やさしい塩気とほのかな酸味も相まって、とにかくご飯がすすむ漬物です。自宅で作るには糠床を育てる最初の10日間ほどは多少の手間がかかります(発酵を促すための捨て漬け)が、その後は糠床を返す作業を行うだけ。野菜だけでなく、肉や魚も1日漬けておくだけで美味しくなりますよ。

《有名な「ぬか漬け」の漬物》

いぶりがっこ(秋田県)、たくあん漬け、水菜ぬか漬け

⑧赤とうがらし漬け(キムチ)

白菜のキムチ,赤唐辛子漬け

赤とうがらし粉、または赤とうがらし粉にニンニク・ショウガ・ネギ類・大根を刻んだものを加えたもので漬け込んだものであり、「キムチ」のことです。白菜・大根・胡瓜といった主たる野菜に、唐辛子・ニンニク・海産物(アミの塩辛)などで作った具(ヤンニョム)を挟み、熟成させて作る乳酸発酵漬物。大量の唐辛子による辛味、塩辛や魚醤などの動物性の旨味、そして乳酸発酵による酸っぱさが特徴のキムチ。白いご飯はもちろん、チャーハンや炒め物から鍋料理まで大人気の漬物です。
生きた乳酸菌がなければキムチではないといわれるほど、本場のキムチは酸味が強め。日本では乳酸発酵を抑え気味にした味が好まれ、生きた乳酸菌が大手スーパーでは雑菌カウントされるということもあって店頭に並ぶ商品は発酵が抑えられています。

⑨浅漬け

きゅうりの浅漬け

最も手軽に作れる漬物。塩揉みしてすぐに食べる場合は「即席漬け」、一晩置いた場合は「一夜漬け」と呼んだります。漬けてからの時間が、数十分から5~6日までのものが「浅漬け」に含まれます。
漬け方は人それぞれで、塩だけだったり、酢の入った調味液だったりと様々あります。作りたての場合は梅干しと同様に「無発酵漬物」に分類されますが、数日置くと乳酸菌や酵母が増殖して程よい酸味と風味が出てきて、「発酵漬物」状態になりますよ。手早く作れて塩分を控えめにでき、サラダの代わりにもなる浅漬け。残り野菜を使った一品としても便利ですね。

まとめ

塩漬けから人気のキムチ、定番の浅漬けまで、様々な種類の漬物をご紹介しました。醤油や味噌など、自宅にある調味料で簡単に作れて美味しく味わえるのが漬物の魅力です。酒粕や麹、ぬかも含めて色んな漬け方を試して味わってみてください。

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