栄養豊富な緑黄色野菜として知られるアスパラ。栽培方法や地域によって旬の季節は異なりますが、新鮮なものが出回る時期にはたくさん食べたい野菜ですよね!今回はアスパラを美味しく味わう「茹で方」について、下ごしらえから茹で時間、冷まし方や保存方法まで農家直伝のコツも含めて詳しく紹介します。
目次
農家直伝!アスパラの茹で方のコツを伝授
春の訪れを感じさせる旬のアスパラガス、それを茹でたてで食べる喜びは格別ですよね。新鮮な採れたてのものを茹でると、その鮮やかな緑色と歯ごたえがたまらなく美味しいんです。そんなアスパラにはみんな大好きなマヨネーズを合わせるのが定番。もう最高のご馳走になっちゃいます。
適当に茹でるだけでも十分に美味しいのですが、実は長く茹ですぎると色が悪くなり、食感もふにゃふにゃになってしまいます。やわらかさは人それぞれの好みですが、新鮮なアスパラはなるべくシャキッと茹であげて召し上がってほしいのが農家の気持ち。農家のヨメでもある私がアスパラを美味しく茹でるコツをお伝えします。
①新鮮なアスパラを選ぶ
美味しい茹でアスパラを楽しむ前提として、とにかく鮮度の良いアスパラを選ぶことが重要です。アスパラは収穫してからどんどんと鮮度が落ち、味も落ちて行ってしまいます。なるべく近隣で収穫されたアスパラを選んだり、農家直送のアスパラを選ぶと間違いありません。 スーパーや八百屋さんで購入する際の選び方のコツとしては、切り口が乾燥していなくて穂先がギュッと締まっていて硬いアスパラを選ぶこと。鮮度が良い証拠です。
②切り口を切り落とす
美味しく茹でるためにはとにかく下処理が大事!アスパラは鮮度や季節、栽培方法によって皮が硬くなってしまうこともあります。
まずはアスパラの切り口を2~3㎜切り落とします。切り口の部分は乾燥しているため、繊維質で口当たりが悪いです。切り落としたものはスープなどに入れて軟らかく煮ると食べられますよ。
③ピーラーで皮を剥く
根元から10㎝程の範囲の皮をピーラーで剥いてしまいましょう。触ってみて皮があからさまにカチカチで硬そうな場合はもっと広い範囲の皮を剥いたほうが食べやすいです。
実は、新鮮でみずみずしいアスパラであれば皮を剥かなくても柔らかく食べられるのです!ハウス栽培だとより柔らかいのですが、農家直送のアスパラをお取り寄せしてみると皮の柔らかかさにびっくりするはず。
④アスパラを茹でる
大きなフライパンに深さ1㎝程の水を入れ、沸騰させます。沸騰後は中火にし、根元の方だけをお湯につけて30秒茹でます。硬い根元を先に茹でることで、全体の茹で上がりのタイミングが揃います。
30秒後、アスパラをお湯に全体浸して塩を少量全体にふりかけ、蓋をして1分間茹でます。塩を振ることで色よく茹で上がります。
ポイント
アスパラが丸ごと入るフライパンがあればそれを利用し、そんなに大きなフライパンが無い場合は半分に切って茹でます。長いまま茹でたほうが切り口が少ないため、栄養素を逃さずに茹でることができます。茹で時間の目安はスーパーでよく販売されている直径1㎝程のLサイズの茹で方を紹介しています。2Lサイズなどそれ以上の太いサイズは茹で時間を長めに取ってお好みで調整しましょう。
⑤冷まして甘みを引き出す
茹で上がったらざるに上げ、冷まします。空気に当てて冷ますことで火が通りすぎず、色も良く仕上がります。
冷やすとより甘く感じる理由
茹でたて熱々のアスパラにマヨネーズを付けてパクリといきたい気持ちは分かります!が、実はアスパラが含む「果糖」という糖分の性質により、より甘さを強く感じられるのは冷やした時の方なのです。果糖は果物に多く含まれていて、果物は常温で食べるよりも冷蔵庫で1~2時間冷やした方が甘く感じますよね。アスパラも同じ原理で、少し冷やした方が甘みを強く感じるのです。ただし、キンキンに冷やしすぎると逆に味を感じにくくなってしまいます。熱々のアスパラを少し楽しんだ後は粗熱を取って冷蔵庫へ。食感と共に甘みも楽しんでくださいね。
アスパラを茹でる際のよくある質問
①「根元」を折る方法をよく見かけるけど実際どうなの?
「アスパラを茹でる前にポキっと折れる部分までアスパラを折る」という手順を紹介している人もいますが、折った部分はピーラーで皮を剥いて食べるようにしましょう。折ってから茹でると切り口からアスパラの味が逃げてしまうため、美味しさを損ねる原因にもなります。なるべく折らずに長いまま茹でましょう。
②「ハカマ」は取ったほうが良い?
ハカマとは、アスパラについている三角形の小さな葉っぱのような部分です。問題なく食べられるので取らずに調理して大丈夫ですが、舌触りが気になるという人はハカマを取り除いても良いです。
③茹でる前に「水に浸しておく」と良い?
アスパラを茹でる前に水に浸しておくと、水分を吸ってみずみずしくなることも。コップに常温の水を入れて立てておくと良いです。しかし、水を吸ったからと言って美味しさが増すわけでもありませんし、鮮度が良いアスパラであれば水を吸わせずともみずみずしいですよ。
しなびてきたアスパラを水に浸すと良いかもしれませんが、そもそもしなびてきたアスパラは味が落ちています。しなびる前に早めに食べ切るようにしましょう!
④茹でると「シワシワになる」のはどうして?
アスパラを茹でた後、シワシワになってしまったことがある方もいるかと思います。鮮度が若干落ちていたアスパラを茹でるとシワになることが多いです。そもそも鮮度の悪いものはある程度の水分が飛んでいるため、茹でて再びその水分が抜けることでシワシワになってしまうのです。 この場合、アスパラの水分が余計に飛んでしまわないようにすることが大切です。ゆで上げたらすぐに氷水にいれて粗熱を取ってあげましょう。
アスパラの種類によって食べ方が異なる
今回紹介した茹で方は「グリーンアスパラ」の茹で方です。アスパラは品種(色)によって食べ方が違ってきます。
「紫アスパラ」は茹でると緑になるため、色を活かすには生でサラダにして食べることがおすすめです。ただ、緑のアスパラよりも柔らかくて味も甘く感じるため、茹でても美味しく食べられます。
「ホワイトアスパラ」はしっかり軟らかくなるまで茹でてから食べる事が多いです。やわらかく茹でることで、ホワイトアスパラの旨味が口の中でジュワ~っと流れ出るためです。旨味が強いため、プロはゆで汁もほかの料理に使うことが多いです。
鮮度を維持するアスパラの保存方法
アスパラは足がはやい野菜です。保存する場合は冷蔵庫の中に立てて保存するようにしましょう。また、乾燥しないように新聞紙でしっかり包んであげることも大切です。ただし、冷蔵庫で保管する間にも鮮度を失ってしまうため、早めに食べた方が無難です。
冷凍保存で長く楽しむ
冷凍保存をすると美味しさを長く保てます。切って冷凍すると、調理の際に切り口から旨味や栄養素が逃げ出てしまうため、下ごしらえをした形で丸ごと冷凍するようにしましょう。1度の料理で使う量(2~3本)を一緒にラップに包み、保存袋に入れて冷凍することで1ヶ月前後美味しさを保つことができます。使用する際は凍ったまま切り分け、炒め物や汁物に使いましょう。茹でアスパラとしてサラダで食べるにはシナッとしてしまうため向きません。
電子レンジで加熱すると簡単で便利
アスパラは電子レンジで加熱して食べる事もできます。この方法は調理時間の短縮になり、さらに栄養価の維持に優れています。茹でると本来の栄養成分や味が逃げ出してしまいますが、電子レンジ加熱の場合はアスパラの持つ豊富な栄養素を逃さず、しっかりとした味わいを楽しむことができます。
しかしながら、電子レンジ調理のデメリットとして、食感が軟らかくなりがちであることが挙げられます。そのため、見た目や食感にこだわりたい場合は、塩水で茹でる方法がおすすめです。塩水で茹でたアスパラガスは、美しい緑色を保ち、シャキシャキとした食感が楽しめます。
電子レンジで加熱するかお湯で茹でるかはお好みで選んでみてください。
電子レンジでの調理方法は、下処理を済ませたアスパラ2本を皿にくっつかないように並べ、ラップをふんわりとかけて、600Wの電子レンジで1分間加熱するだけです。レンジの場合は栄養素が抜けませんので、長いままでも食べやすい長さに切ってから加熱しても良いですよ。
料理によっては茹でなくてOK
アスパラは茹でてサラダにするほか、炒めたりグリルにしたり煮る場合もあります。天ぷらも絶品ですよね!このように料理に使う場合は茹でずに生のまま使用して、調理中に加熱するようにしましょう。ただし、火を通しすぎると半減する栄養素もあるため、炒め物にする場合は仕上げに入れてさっと火を通す程度や、汁物に入れる場合も煮込み過ぎないように注意しましょう。
まとめ
グリーンアスパラを美味しく茹でる方法を紹介しました。茹でた後はマヨネーズやドレッシングなど、お好みの調味料で楽しんでくださいね。鮮度の良いアスパラは生のまま丸ごと食べることも可能です!農家直送で届いたものは、さっと洗ってから生のままでシャキシャキ食べることをおすすめします。グリーンアスパラの香りと旨味をダイレクトに感じることができますよ。